ジーンズソムリエ

【資格】ジーンズソムリエ資格試験対策〜染色編〜

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前回の記事ではジーンズソムリエ資格試験第一の壁である「紡績」について紹介しました。

まだ読んでいない方はこちらから↓

【資格】ジーンズソムリエ資格試験対策〜紡績編〜ジーンズソムリエ資格試験を受験するにあたり、壁の1つである「紡績」について資格保有者の筆者が解説してきます。紡績は開俵、混打綿、梳綿、練条、精紡、捲き上げの6工程がありますが、最重要工程は梳綿です。...

今回は第2の壁である「染色」についてです。

「紡績」同様「染色」工程も専門用語が頻出します。

まずは、テキストを一通り読んでから1つ1つの工程を詳しく勉強するのがおすすめです。
では早速、染色について紹介してきます。

インディゴについて

ジーンズの染色に必要な「インディゴ」には「天然インディゴ」と「合成インディゴ」の2種類があります。

現在、ほとんどのジーンズは「合成インディゴ」で染色されており、「天然インディゴ」で染色されているジーンズは希少です。
各染料の簡単な説明すると。

「天然インディゴ」
・天然の藍を染料としている。
・藍の中に含まれているインディゴ成分は全体の約5%のため、天然インディゴでジーンズを染色する場合、大量の藍が必要になる。

「合成インディゴ」
・1880年にA・ボン・バイヤーが生成に成功した染料。
・原油が原料である。
・合成インディゴが登場して以降、ジーンズの生産が加速した。

このインディゴの違いは試験に出る可能性があるのでしっかり覚えましょう。

インディゴ染料の特徴

インディゴ染料最大の特徴は「染まりにくく」「色落ちしやすい」です。

一見、マイナスの特徴しかないようにも思えますが、この特徴がジーンズの魅力である「色落ち」「経年変化」を生み出しています。

インディゴ染料は「染まりにくい」ため、目的の濃度(ジーンズ毎に異なる)になるまで染色を繰り返します。
通常の染色回数は8回〜16回程リーバイスは8回程度と言われています。

そんな染色回数ですが、中には「negative denim」のように32回染を行っているジーンズもあります。詳しくはこちらから↓

【岡山デニム】世界初!32回染めの超濃紺ジーンズ「negative denim」の魅力ジーンズの一般的な染色回数は8回から16回。それ以上染色をしても色は変わらないと言われていました。そんな中脅威の32回染めに成功した国産ジーンズブランド「negative denim」今回はその「negative denim」の魅力を紹介します。...

私も実際に自宅で生成のトートバッグを染色したことがありますが、回数を重ねるごとに綺麗な藍色に変化していくことを確認することができました。
自宅で染色した際の記事も後日あげる予定です。

染色工程の流れ

染色工程は紡績工程よりは多くないので、そこまで難しくはありません。
工程は大きく分けて4つ。
整経→染色→分繊→糊付
ここでは、先に染色工程以外を説明します。
染色には3種類の方法があるので後ほど詳しく紹介します。

整経

整経(せいけい)は、紡績や織物の製造プロセスにおいて非常に重要な工程の1つです。
後の工程である染色方法によって整経の工程は少し異なりますが、整経の目的は3つ。

均一な張力の確保
織物の品質を高めるために、経糸を均一な張力で整えることが重要です。
これにより、織機でのトラブルを減らし、均質な織物を作ることができます。

所定の長さと幅の設定
必要な製品の仕様に応じて、経糸を所定の長さと幅に整えます。
これにより、織機にセットする際の効率が上がります。

糸の整列と均一性の維持
糸を整列させることで、織布中に糸が絡まったり重なったりすることを防ぎます。

分繊

分繊(ぶんせん)はロープ染色を行った場合にのみ発生する工程です。
具体的には、ロープ状の束にしていた糸を、1本1本バラバラにし、大きな糸巻きに巻き取っていくという工程です。

ジーンズ製造工程における分繊は、経糸を均一に分けて整理することで、製織工程の効率と最終製品の品質を向上させる重要な工程です。分繊が適切に行われることで、経糸の絡みや乱れが防がれ、安定した品質のデニム生地が製造されます。

糊付け

糊付け(のりづけ)は、経糸(たていと)に糊剤を塗布する工程で、織布工程をスムーズに行うために重要な役割を果たします。糊付けの効果は主に4つ。

糸の強化
糊付けによって、糸の表面に保護層が形成され、糸の強度が増します。
これにより、織布時の摩擦や張力に対する耐性が向上します。

毛羽立ちの防止
糊剤が糸の表面をコーティングすることで、毛羽立ちを抑えます。
毛羽立ちが少ないと、織布工程での糸切れが減少し、製品の品質が向上します。

糸の滑り性向上
糊付けにより、糸の滑り性が向上し、織機内での糸の動きがスムーズになります。
これにより、製織の効率が上がり、生産性が向上します。

糸の結束力向上
糊剤が糸の繊維間を結束することで、糸の形状が安定し、織布時に糸が
ほぐれるのを防ぎます。

染色方法3種類

染色には

・ロープ染色
・スラッシャー染色
・綛染(かせぞめ)

の3種類があります。
それぞれ特徴が異なりますが、ジーンズの「色落ち」を発生させる「中白」が生まれるのはロープ染色のみです。

ここではロープ染色とスラッシャー染色の違いについて紹介します。

・ロープ染色
規定の糸をロープ状(束)にして染色する方法で一番メジャーな染色方法。
糸の中心が染まらない(中白)
染色後に「分繊」という工程が発生するためコストが高い。

・スラッシャー染色
糸を1本1本並行にした状態で染色、糊付けまでを行う染色方法。
分繊工程が不要でコストが安い。
色ムラが発生しやすい。

・綛染(かせぞめ)は伝統的な染色工程なのですが、現在ではほとんど行われていないため、試験に出てくる確率は低いでしょう。
詳細は覚えなくてもいいと思いますが、名前だけは覚えておきましょう。

染色工程が終わればついに製織工程です。

まとめ

・現在製造されているジーンズのほとんどは「合成インディゴ」が使用されている
・インディゴの特徴は「染まりにくい」「色落ちしやすい」の2つ
・インディゴの特徴とロープ染色が「中白」という魅力に繋がっている

染色工程はインディゴの歴史〜工程の詳細まで幅広く問われます。
工程の名前だけを覚えるのではなく、工程がもたらす効果まで理解しましょう。

ジーンズソムリエ資格試験についての記事はこちらから↓

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