ジーンズソムリエ

【資格】ジーンズソムリエ資格試験対策〜紡績編〜

ジーンズソムリエの資格試験2024の申し込み受付が始まりました。
今年の試験日は9月11日(水)、全国5会場での開催となっています。

ジーンズソムリエの資格は試験日の2〜3ヶ月前から勉強を始めることで十分に合格することができる試験のため、この記事を書いている6月頃から勉強を始める方が多いのではないでしょか。

今回は、ジーンズソムリエ資格試験の1つの壁である「紡績」についてジーンズソムリエ資格保有者の筆者が紹介していきます。

試験の大きな流れ〜去年受験した感想は別記事にて紹介しているので
こちらを確認してみてください。

【ジーンズソムリエ】ジーンズの知識を資格へ!ジーンズソムリエ資格試験2024ジーンズソムリエ資格試験2024が9月11日(水)に実施されることが決定しました。そこで、試験の概要と去年実際に受験した経験を紹介していきます。資格試験は択一49問+小論文1題の計50問です。...

上記の記事の中でも紹介していますが、ジーンズソムリエ資格試験は公式テキストの購入がほぼ必須となっています。

テキストは公式HPから購入できます。

 

今回はテキスト内の要点を紹介していきますので、テキストを一通り勉強してからこの記事を見ていただけるとより知識が身につくかと思います!
もちろん、この記事を読んでからテキストを読んでも大丈夫です。

綿・オーガニックコットンについて

ジーンズ・紡績について知るにはまずジーンズの素材である綿(コットン)について知る必要があります。
コットンは衣服を作るにあたり一番メジャーな素材であり、現在は80カ国以上の国で生産されています。
その中でも日本でよく使われている綿はアメリカ産、オーストラリア産です。

綿花は繊維の長さが重要視されており

超長繊維   34.9mm以上
長繊維    28.6mm~33.3mm
中長繊維   26.2mm~27.8mm
中繊維      20.6mm~25.4mm
短繊維      20.6mm以下

と5段階に分けることができます。

全ての長さを覚えているのがベストですが、
最低でも超長繊維と短繊維の長さは覚えておきましょう。

オーガニックコットンとは

ある時期を境に「オーガニック」という言葉が流行し、どんなものでも「オーガニックが良い」という風潮ありました。

コットンにも「オーガニックコットン」があります。
「オーガニックコットン」の定義は
「過去3年以上無農薬の土地で育てられたコットン」です。

無印良品の衣料品の多くはオーガニックコットンが使われています。

綿花は栽培を促進させるために「農薬」を大量に使用されており、この「農薬」が綿花を栽培している農民の健康に甚大な被害を与えていることが問題となっています。

綿花生産国の農家の中には裸足で仕事に従事している人もいるので足から農薬の害を受ける人が多いみたいです。

このような背景もあり、農民の健康や環境へ配慮する動きの一つとして無農薬で綿花を育てることに注目が当てられるようになりました。

現在ではオーガニックコットンの生産量は毎年増加していますが、それでも綿全体の中のオーガニックコットンの比率は1%程度と言われています。

紡績とは

紡績とは簡単に簡単に言うと「綿花を糸にすること」です。
綿花の状態では繊維の方向がバラバラであったり夾雑物(きょうざつぶつ:葉カスやゴミ)が混ざっているので、ゴミを取り除き、繊維の方向を揃え、撚っていくことで糸にしていきます。

紡績の工程を分けると

・開俵(かいひょう)
・混打綿(こんだめん)
・梳綿(りゅうめん)
・練条(れんじょう)
・精紡(せいぼう:リング精紡、空気精紡の2種あり)
・捲き上げ

の6工程からなります。
1つ1つの単語は聞いたことがないものばかりと思いますが、
漢字の意味から考えると覚えやすいです。

この工程の中でも「梳綿」は一番重要な工程と言われているので詳しく説明します。

梳綿

梳綿は「りゅうめん」「そめん」と読み、「カーディング」と呼ばれることもあります。
「梳」は「髪を梳く」のように使われる漢字でもつれた糸、髪などを整えるという意味があります。
漢字からもわかるように梳綿は綿を線状に解きほぐす工程のことを指します。

なぜこの工程が重要かと言うと、梳綿で夾雑物(きょうざつぶつ:葉カスなどの異物)をしっかり取り除いておかないと、その後の工程で不具合が発生してしまい綿糸を紡げないからです。(混打綿でも夾雑物は取り除きますが梳綿が夾雑物を取り除く最終工程)

他にも梳綿には繊維を平行状態にし、糸を紡ぐには不適当な短繊維を取り除くという作業があります。

リング精紡・空気精紡

精紡とは粗糸、もしくは繊維を目的の太さになるまで撚ることで綿糸をつくる工程を指し、紡績の最終工程となっています。

この工程には2種類、リング精紡と空気精紡がありそれぞれ工程と特徴が異なります。

リング精紡

リング精紡とは

伝統的な紡績方法で、繊維を引き伸ばしながら撚りをかけて糸を作る。
ドラフトゾーン(引き伸ばしゾーン)で繊維を引き伸ばし、リングとトラベラーを使って撚りをかけながら糸を巻き取とる。

高級なジーンズ等はこのリング精紡の綿糸を使用していることが多いです。

特徴としては

強度と柔軟性が高い。
表面が滑らかで、ピリング(毛玉)が起きにくい。
精紡前に「粗紡」という前工程が発生する。
コストが高い。

空気精紡(オープンエンド精紡)

空気精紡とは

ローター(回転装置)を使って繊維を高速で回転させ、
遠心力で撚りをかけて糸をつくる精紡方法。

特徴として

均整度に優れている。
リング精紡に必要な「粗紡」を省略できるためコストが安い。
リング精紡より10〜20%程強度が弱い。
固めの仕上がりになる。

などがあげられます。
大量生産するジーンズなどは空気精紡で作られることが多いです。

紡績工程〜精紡の違いは
ジーンズソムリエ資格試験に必ず出ると言っても良いでしょう。
個人的にはこの紡績工程を理解、覚えるのが一番苦労しました。
紡績さえクリアできれば、後も大丈夫でしょう。

精紡を行うことで糸は綿糸となり、次の工程である「染色」に移ることができます。
「染色工程」については次の記事で解説します。

まとめ

・日本でよく使われている綿はアメリカ産、オーストラリア産
・梳綿は綿を線状に解きほぐす工程であり、紡績の最重要工程
・リング精紡は繊維を引き伸ばしながら撚りをかけて糸を作る精紡方法
・空気精紡は回転装置で繊維を回転させ遠心力で糸をつくる精紡方法

資格試験で一番と言っても良いほど専門用語がでてくる紡績工程。
理解するのに時間がかかると思いますが、試験必出範囲のため頑張りましょう。