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今さら聞けない?!Levi’sの復刻ライン「LVC」とは

ジーンズの元祖である「Levi’s」
その歴史は150年前に遡ります。

長い歴史の中でLevi’sのジーンズはアップグレードを繰り返し今の形になっています。
ですが、長い歴史があるからこそ昔のモデルに注目もされているのも事実。

今やLevi’sのビンテージジーンズは資産として取り扱われることもあるほどに高価なものになっており、中には数百万円、数千万円するような1本も。

様々なブランドが年代物のジーンズを模した商品を販売していますが、
その中にLevi’sの「LVC」(Levi’s Vintage Clothing)というものがあります。
名前の通りLevi’sが自ら昔に生産されていたジーンズを忠実に再現した商品です。

今回は最近ジーンズに興味が出た「LVCって何?」という方に向けた記事です。

この記事を読むことで

・リーバイスと「LVC」について知ることができる。
・「LVC」の中の4モデルについて知ることができる。

LVCとは

LVCは「Levi’s Vintage Clothing」(リーバイスビンテージクロージング)の略です。
名前の通り、リーバイスのビンテージジーンズを忠実に復刻させたライン。

リーバイス本社には20,000点を越えるアーカイブが残っているとされており、
そのアーカイブを徹底的に解析し現代へ復刻しています。

リーバイスの遺産とも言えるジーンズを現代人が楽しめるようにした「LVC」
2024年現在では

1890’s・1933’s・1944’s・1947’s
1954’s・1955’s・1966’s

の7年代のモデルが復刻されています。

価格は約38,000円とかなり高価になっていますが、
ジーンズ好きとして1度は履いてみたい1本です。

ディテール等は忠実に再現されていますが、生地自体は現在は
日本のトップジーンズメーカーである「カイハラ」が請け負っています。
(以前は米企業コーンミルズ社の生地でした。)

今回は7モデルの中でも人気のある4モデル
・1944
・1947
・1955
・1966
の紹介をします。

リーバイスについて

リーバイス社の歴史はかなり長く、1853年にリーバイストラウスが設立したことが始まりで、2023年で150周年を迎えました。

ジーンズの歴史についての記事はこちらから↓

【ジーンズの歴史】ジーンズの発祥はゴールドラッシュ!リーバイ・ストラウスが残した功績とはジーンズは持っていますか? そう聞かれると、おそらくほとんどの人が「持っています」と答えるでしょう。 今や1人1本とは言わずに数...

この記事の中でも簡単に説明すると、

・カリフォルニアで金鉱がみつかり、アメリカ全土から一攫千金を目指して
労働者が集まった。(ゴールドラッシュ)
・ジェコブデイビスが当時金鉱労働者の間で履かれていたパンツの補強としてリベットを付けるアイデアを思いつく。
・ジェコブデイビスは特許を取る資金がなかったためリーバイ・ストラウスと共同で特許を申請。

このような流れになります。
ちなみに特許を取った5月20日は「ジーンズの日」と呼ばれています。

リーバイスといえば「501XX」ですが、501というのはリーバイスがジーンズにつけた
ロットナンバーです。
また、XXは元は「ダブルエクストラヘビー」の略で生地が分厚いことをさしていました。
ですが、その後501XXよりも厚い生地のジーンズが出回るようになったため、「エクストラ・エクシード」(最高品質の)という意味に変わったとされています。

LVCの魅力と定番モデル

1944


出典:LEVI’S公式サイト

1944モデルは「大戦モデル」と言われるモデルで、ジーンズマニアの中でも随一の人気を誇っています。
戦時中の資源統制によりジーンズのディテールさえも簡素化する必要があったため、様々なパーツが簡素化・省略されています。

具体的には
・クロッチリベット
・ウォッチポケットのリベット
・バックストラップ
等が省略されました。

また、リーバイスの代名詞である「アーキュエイトステッチ」
(バックポケットに刺繍されているかもめのようなマーク)
も簡素化を余儀無くされるように。
この時代のアーキュエイトステッチはペンキで描かれています。

様々なパーツが省略・簡素化されたことを受け、
パッチには501XXの前に「s」(Simplified:簡素化された)が付けられています。

1947


出典:LEVI’S公式サイト

1947モデルは終戦後にアメリカ激動の時代を反映させたモデルとなっています。

シンチバックやサスペンダーボタンは無くしながらも省略されていたリベットや
刺繍アーキュエイトステッチは復活

余分なディテールは排除しながらも「リーバイスらしさ」はアップデートされた
1947モデルはリーバイス501の完成系とも言われています。

戦前のモデルはワークパンツとしての意味が大きかったため太めのつくりでしたが、
1947モデルはスリムなフィット感となっており、時代の変化が窺えます。

1955


出典:LEVI’S公式サイト

1947モデルに打って変わってLVCトップクラスの太さを誇るのが1955モデル。

この頃からハリウッド俳優がジーンズを着用したことでジーンズがワークパンツから
「ファッション」へと昇華しました。
あのマリリンモンローやジェームズディーンなど、ハリウッドに詳しくない人でも1度は名前を聞いたことある人たちが履いたことが有名です。

ハリウッド俳優の着用は特に若者への影響が大きくジーンズは「自由と反抗のシンボル」
として認識されるように。

1947モデルまではレザーパッチでしたが、1955モデル移行は紙パッチへ変更。
LVCトップクラスで太いシルエット&ヘビーオンスなのが特徴です。

1966


出典:LEVI’S公式サイト

1971年からはレッドタブに書かれているブランド名表記が「LEVI’S」から「Levi’s」に変更されています。
また、1966年以降はバックポケットの隠しリベットが家具を傷つけないようにという理由でバータック(棒状の補強縫製)仕様になりました。

この2つにより1966〜1971の間のみバータック+「BIG E」という希少なディテールが誕生しました。LVCではこのディテールを忠実に再現しています。

リーバイスは1966年に501の品質が広く認知されたとしてXXを省略しました。
ですが、変更当初は501と501XXが同じ品質であることを表すために、パッチの501表記の上に小さく501XXと表記されており、このダブルネームも1966モデルの魅力です。

まとめ

LVCとは

・リーバイス150年の歴史の中で特徴的な年代のジーンズを復刻させたライン。
・2024年現在では7つのモデルのディテールが忠実に復刻されている。
・1947モデルはそのなかでも501の完成系と言われている。

リーバイスの歴史はとても面白いので興味が出た方はぜひ調べてみてください。